【控訴審Colabo勝訴判決】自民党・川崎市議の浅野文直による誹謗中傷とデマ拡散について、賠償と削除を命じる判決
本日、浅野文直・川崎市議によるColaboへの名誉毀損をめぐる裁判の控訴審で勝訴しました。

今回の控訴はColabo側から行ったもので、私たちの控訴が一部認められ、一審判決が一部変更されました。
一審で浅野市議の責任が認められた発言について、該当する動画部分の削除が命じられました。
一方、賠償額については一審と同じ22万円とされ、この点について一審の判断は変更されませんでした。
一審では47個の発言の違法性が認められました
2025年11月13日の東京地裁判決では、浅野市議がYouTubeに投稿した19本の動画における47個の発言について名誉毀損が認められ、Colaboに22万円を支払うよう命じられました。
一審では、Colaboに「会計不正」があったとは認められず、浅野市議による、
「Colaboが東京都と川崎市から委託費を重複して受け取った」
「二重に受け取った分を裏帳簿で処理していた」
「福祉を食い物にしている」
「裏金づくりをしていた」
「国民からは詐欺だと思われる」
「不正がなかったとは誰も思っていない」
など47個の発言について、浅野市議の責任が認定されました。
一方で、裁判所はこれらの発言について責任を認めながら、動画の削除を命じませんでした。
また、Colaboが受けた被害に対する賠償額は22万円にとどまりました。
なぜColaboは控訴したのか
浅野市議側は一審判決を控訴しませんでした。私たちが控訴した大きな理由の一つは、名誉毀損が認められた動画が削除されず、インターネット上に残り続けることでした。
一審判決では、Colaboが「自身に向けられた誹謗中傷に対して抗議等をする書面を公表するほか、名誉毀損を理由として民事訴訟を提起する旨の記者会見を実施したことが認められ、自ら主張を積極的に発信する能力を有するものとみられる」とされました。
しかし、私たちが必死に反論し続ければ、名誉毀損による被害が回復されるのでしょうか。
事実よりもデマや誹謗中傷の方が速く、大量に拡散されます。
動画が残り続ければ、数年後、10年後であっても、新たにその動画を見た人にデマが事実であるかのように受け取られる可能性があります。その一人ひとりに対して、私たちが「それは事実ではありません」と反論することなどできません。
名誉毀損について責任が認められた発信を残したままにすることは、被害を将来にわたって継続させることになります。
また、22万円という賠償額も、Colaboが実際に受けてきた被害に到底見合うものではないと考え、控訴しました。
控訴審で一審判決が変更され、動画の削除が命じられました
今回の控訴審判決では、Colabo側の控訴が一部認められ、一審判決のうち動画の削除を認めなかった部分が変更されました。
一審判決で浅野市議の違法行為が認められていた発言について、該当する動画部分の削除が命じられました。
事実ではない発言によって他者の名誉を毀損したことが認められているにもかかわらず、その発信がインターネット上に残され、デマが拡散され続けることを許すべきではありません。
今回、裁判所が削除を命じ、違法な名誉毀損行為をそのまま野放しにしてよいわけではないことを明確にしたことは重要です。
現職の議員が行った発信について、裁判所から削除を命じられたという事実を、浅野市議は重く受け止めるべきです。
一方、賠償額22万円は変更されませんでした
一方で、賠償額については一審と同じ22万円とされました。この点については、非常に残念です。
Colaboが受けた被害は、単に47個の名誉毀損発言をされたということにとどまりません。
浅野市議は2023年の川崎市議会議員選挙で、街宣車やタスキ、ポスターなどに「Colabo疑惑追及」と掲げて選挙運動を行い、当選しました。
Colaboへのデマが、票や支持を集めるために利用されたのです。さらに「Colabo疑惑追及」のために国政に挑戦するとも動画で宣伝しました。
現職議員が「疑惑」として発信したことでデマに信ぴょう性が与えられ、それに影響された無数の人々がColaboへの誹謗中傷や活動妨害に加わりました。
Colaboは殺害予告を受け、活動場所に妨害者が押しかけ、少女たちへの支援活動そのものを妨害されてきました。
こうした現実の被害に対して22万円という賠償額はあまりにも低く、被害の深刻さに対する裁判所の認識は、依然として不十分だと考えています。
政治家によるデマ拡散の責任は重い
私たちが、無数にいた誹謗中傷者の中でも浅野市議を提訴したのは、政治家の発言には大きな社会的影響力があり、その責任も重いと考えたからです。
ところが、政治家による発信が「公益目的」と評価されることで、むしろその責任が過小評価されるのであれば問題です。
社会の利益のための発信であるならば、少なくともその内容が事実ではないことが明らかになった後には、自ら訂正し、削除するべきだったはずです。
それにもかかわらず、浅野市議は動画を削除せず、提訴後も長期間にわたり、名誉毀損にあたる内容をインターネット上に残し続けました。
政治家がその立場と影響力を使って事実ではない情報を繰り返し発信すれば、それに動かされる人々が生まれ、差別や攻撃が社会に広がっていきます。
その責任は、一般の人による一つの投稿と同じように考えることはできません。
女性支援へのデマが「票集め」「金集め」になる社会を変えたい
私たちがこの裁判を闘ってきたのは、Colaboの名誉を回復するためだけではありません。
女性支援に対するデマや誹謗中傷、女性差別を利用することが、票集め、金集め、支持集めにつながるような社会状況を変えたいと考えてきました。
しかし、これだけの発信について名誉毀損の責任が認められても、賠償額が22万円にとどまるのであれば、同じような行為を防ぐための十分な抑止力にはなりません。
今回、一審判決が変更され、名誉毀損が認められた動画部分について削除が命じられたことは、重要な結果です。
一方で、事実ではない名誉毀損情報を削除することは、本来当然のことでもあります。
違法な発信を野放しにしないという最低限の判断が示された一方で、政治家によるデマ拡散の影響や、私たちが受けた深刻な被害については、なお十分に評価されなかった判決だと受け止めています。
浅野市議が、裁判所から削除を命じられるような発信を行い、それによってColaboに関するデマを社会に拡散した政治的・社会的責任は、賠償額が22万円にとどまったからといってなくなるものではありません。
この裁判費用はみなさまのご寄付に支えていただきました。
裁判を支えてくださったみなさま、ありがとうございました。
「Colabo攻撃」とは何だったのか
2022年から、Colaboに対する「会計不正」などのデマや誹謗中傷が大量に拡散され、それに扇動された人々による殺害予告や活動妨害が相次ぎました。少女たちと出会い、つながるための活動の場にも妨害者が押しかけ、活動そのものが脅かされました。
私たちは、こうした一連の出来事がなぜ起き、デマがどのようにつくられ、拡散され、それが少女たちや支援現場に何をもたらしたのかを記録するため、『Colabo攻撃――暴走するネット社会とミソジニー』(地平社)を出版しました。
この本では、私たちに何が起きたのか、デマがどのように生まれ、女性嫌悪と結びつきながら拡散されていったのか、そしてその攻撃をどう乗り越えようとしているのかを記録しています。
ぜひ、多くの方に読んでいただきたいです。

刊行記念シンポジウムはこちらからご覧いただけます。
Colaboはこれからも、女性や少女への暴力や差別、女性支援に対するデマや攻撃が、誰かの金儲けや票集めの手段として利用されることのない社会を目指して、声を上げ続けます。
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