性搾取に取り込まれる少女たち――「本人の選択」で終わらせないために 『障害者問題研究』に寄稿

歌舞伎町をさまよう少女たちの背景には、虐待や貧困、孤立、障害、性暴力被害など、幾重もの困難があります。それでも、性搾取の被害は「本人が選んだ」「自己責任」とされ、背景にある社会の問題は見えなくされてきました。2026年8月発行の『障害者問題研究』に少女たちを性搾取へと追いやる構造と、必要な支援について寄稿しました。
仁藤夢乃 2026.08.19
誰でも

2026年8月発行の『障害者問題研究』第54巻第2号に記事が掲載されました。

テーマは「性搾取に取り込まれる少女たち――新宿・歌舞伎町の現場から見える構造的暴力」。

歌舞伎町をさまよう少女たちには、虐待や貧困、孤立、障害、性暴力被害など、複雑な困難が幾重にも重なっています。

それにもかかわらず、「なぜそこに行ったのか」「なぜ逃げなかったのか」「本人が選んだのではないか」と、少女たち自身の選択や自己責任の問題として語られることがあります。

けれど、安心して過ごせる場所や頼れる人との関係を持てず、ほかの選択肢を持てない状況でなされた「選択」を、本当に自由な選択と呼べるのでしょうか。

少女たちの孤立や弱みにつけ込み、「助ける」「支える」と近づきながら、少しずつ支配的な関係に取り込んでいくグルーミングも、性搾取の入り口の一つです。

必要なのは、彼女たちを管理したり排除したりすることではありません。

なぜ少女たちが性搾取に取り込まれざるを得ない状況が生まれているのか。困難を生み出している社会の側を問い、変えていくことです。

記事では、Colaboが新宿・歌舞伎町で少女たちと出会ってきた現場から、性搾取へと取り込まれていく背景、グルーミングによる支配、困難の「自己責任化」、「自由意思」という言葉によって見えなくされる被害、居場所と関係性を基盤にした支援、そして脱性売買支援の必要性について書いています。

この構造的な暴力の実態を、一人でも多くの方に知っていただければと思います。

性売買のなかでは、若さや未熟さ、従順さが価値として消費される。女性たちは年齢や外見、性格、障害の有無などによって細かく分類され、「商品」として陳列される。ある風俗店では、18歳の女性を「素人」「知的障害者」という見出しで売り出した。……大学生であること、シングルマザーであることや、妊婦であること、母乳が出ることや生理中であることも商品価値とされる。このようなことが許される社会では、女性や障害者は尊厳のある一人として扱われない。

▼『障害者問題研究』の詳細・ご購入はこちら
https://www.nginet.or.jp/posts/news605.html

#性搾取 #性暴力 #Colabo #歌舞伎町

特別返礼品として、「性搾取に反対するフェミニスト(Feminists Against Sexual Exploitation)」Tシャツをご用意しています。受付は9月30日までです。

皆さまからのご支援が、虐待やDV、性搾取などの被害を受けた少女や女性たちが安心して過ごせる居場所と、回復を支える女性人権センターの実現につながります。

▽Colaboの活動と継続を支えるサポーター会員も募集中!

一日35円~のご寄付が性搾取のなかにいる少女たちを支えます。

性売買の問題について、これからも現場で見てきたことや、女性たちの声を書いていきます。 よろしければ、無料の読者登録をして読んでいただけたら嬉しいです。

無料で「仁藤夢乃のニュースレター『女性差別に抗う』」をメールでお届けします。コンテンツを見逃さず、読者限定記事も受け取れます。

すでに登録済みの方は こちら

誰でも
法務省検討会が売春防止法見直しの報告書案を公表――問題の本質から目を背...
誰でも
性売買の暴力が「思想」の問題にすり替えられる――法務省検討会
誰でも
新刊『性売買を固持する権力ーー少女たちの性が「買われる」現場から』8/...
誰でも
性売買を「迷惑行為」ではなく人権侵害として考える――排除されるのは女性...
誰でも
イミダス連載公開|性売買の被害ではなく「性産業への影響」を重視する有識...
誰でも
日本で評価される『女らしさ』が通用しないフランスから見る性差別ーー刑法...
誰でも
ピンクバスが復活!と思ったら、今度はハイエースが故障😭
誰でも
【対談公開|第5回(前編)】差別と排外主義に対抗する権利運動としての女...