【対談公開|第5回(後編)】現場に立ち続けているからこそできる、社会を変えるための闘い 瀬戸大作×仁藤夢乃

支援団体が現場から離れ、差別や排外主義が広がる今、社会を変えるために必要なものは何か。長年、貧困や難民支援の現場で活動してきた瀬戸大作さんと、現場に立ち続けること、闘いの経験を次の世代につなぐこと、そして人々が出会い、学び、連帯する「女性人権センター」の可能性を語り合いました。
仁藤夢乃 2026.08.30
誰でも

女性人権センター建設に賛同する「1000人委員会」対談記事、第5回の後編を公開しました。

今回のゲストは、長年にわたり貧困問題や生活困窮者、難民、原発事故被害者などの支援に取り組んできた瀬戸大作さんです。

前編では、貧困や外国人差別、女性差別の問題がどのようにつながっているのか、そして差別と排外主義に対抗する「権利運動」として女性人権センターをつくる意味について語り合いました。

後編ではさらに、社会を変える活動にとって「現場」とは何なのか、そしてこれまでの運動の経験をどう次の世代につないでいくのかを考えます。

対談動画はこちら

現場がなくなれば、社会の変化が見えなくなる

瀬戸さんとの話で強く共感したのは、支援活動が「業務」になり、責任者や専門家が現場から離れていくことへの危機感です。

相談を受け、別の機関につなぐ。役割ごとに支援を細分化する。

それだけでは、相談する人がたらい回しになり、社会で今何が起きているのかを支援する側も見失ってしまいます。

Colaboでも、私は今も夜の街に出て少女たちに声をかけ続けています。

性売買業者のやり方も、少女たちの置かれている状況も、街の空気も常に変わります。現場にいなければ、その変化を知ることはできません。

瀬戸さんは、「現場がなくなったら、感覚がなくなると思う」と話します。

現場で一人ひとりと出会うからこそ、制度のどこがおかしいのかが見える。

そして、その現実をもとに社会を変えるための声を上げることができます。

闘いの経験を、次の世代につなぐ場所

もう一つ、今回の対談で大きなテーマになったのが、これまで社会を変えてきた人たちの経験をどう残していくかということです。

私が女性人権センターを今つくりたいと思った理由の一つには、一緒に闘ってくれている先輩たちの多くが70代、80代になっていることがあります。

私自身、活動を始めた10代の頃から、さまざまな社会運動に関わってきた人たちと出会い、その人たちが受けてきた弾圧や、どう闘ってきたのかを知ることで、自分が受けている攻撃の意味も理解できるようになりました。

過去の闘いをなかったことにしない。

うまくいったことも、失敗したことも、そこで培われた知恵や生き方も、次の世代へつないでいく。

女性人権センターを、世代を超えて人が出会い、学び合い、これからの社会をつくるための場所にしたいと思っています。

差別や排外主義に対抗する「出会い」の拠点を

対談では、近年広がる外国人差別や排外主義についても話しました。

生活が苦しい。孤立している。社会に対して怒りがある。

その苦しさが、外国人や女性など、さらに弱い立場に置かれた人への攻撃に向けられることがあります。

だからこそ必要なのは、差別を煽る言葉に対して、ただ「間違っている」と言うだけではないと思います。

実際に人と出会うこと。

一緒に食事をすること。

その人がどんな経験をしてきたのかを知ること。

自分の苦しさと、別の人が置かれている苦しさが、同じ社会の構造につながっていると気づくこと。

瀬戸さんは、女性人権センターについて、

「すごい住民連帯運動になります」

と話します。

相談したい人、休みたい人、シャワーを浴びたい人、本を読みたい人、活動を始めたい人。

それぞれ違う理由で来た人が、同じ場所にいることで、思いがけない出会いが生まれる。

誰かに何かを強制されるのではなく、自然に人や社会の問題に触れられる。

そんな場所を歌舞伎町につくりたいと思っています。

「闘う砦」であり、「生きていたい」と思える場所に

瀬戸さんは対談の最後に、社会運動は単に苦しいことに抵抗するだけではなく、その中で「豊かな生き方」をつくることも大切だと話されました。

「『女性人権センター』も、これができたら『いっぱい楽しいことがあるよ』と言えて、『やっぱり生きてたいな』と思えるような、そこにいくとほっとするし、何かいいことありそうだと思える場になると思います」

女性人権センターは、差別や暴力に抗うための拠点。

同時に、疲れたときには休んでいい場所、誰かとご飯を食べたり、笑ったり、新しいことを知ったり、「ここに来てよかった」と思える場所でもありたいと思っています。

社会を変えることと、生きることは別々ではありません。

今の社会に抗いながら、その中で私たち自身が生きたい社会を少しずつつくっていく。

ぜひ瀬戸大作さんとの対談をご覧ください。

第2回寄付キャンペーン実施中

2026年6月15日〜9月30日

女性人権センターを、新宿・歌舞伎町に、困難を抱える少女たちの居場所として、そして差別や暴力に抗う人たちが出会い、学び、連帯するための揺るがない拠点としてつくろうとしています。

この場所ができれば終わりではありません。

ここから人と人が出会い、新しい活動が生まれ、各地にも同じような場所が広がっていく。

その始まりとなるセンターを、市民の力で実現したいと思っています。

動画を見て、「こんな場所が必要だ」と感じてくださった方は、ぜひ建設プロジェクトに加わってください。

▼女性人権センター建設プロジェクト特設ページ
https://colabo-official.net/projects/colabo_center.html

第2回寄付キャンペーンは9月30日までです。動画の視聴やシェア、ご寄付を通して、女性人権センターを一緒につくってください。

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