「性売買・性搾取が当たり前の都市を拒否する」――韓国の性売買経験当事者の声④
大田・性売買経験当事者自助グループ「ハクナマタタ」 ムム
こんにちは。
私は女性人権センターティウムで、性売買経験当事者自助グループ「ハクナマタタ」を運営しているムムです。
今日は性売買追放週間について知らせ、大田地域における性売買の現実を伝えるために、この場に立ちました。
性売買は、しばしば過去の問題であるかのように語られます。
しかし、大田で暮らす私たちは知っています。
今も、大田のいたるところに性売買は存在しています。
大田の中央洞と元洞には、今も古い簡易宿泊所型の性売買集結地が残っています。
長い時間が経ちましたが、その空間は完全にはなくなっていません。
そこを通り過ぎる人の中には、ただの古い建物だと思う人もいるかもしれません。
しかし、その場所には、数多くの女性たちの人生と、暴力の痕跡が残っています。
そして、大田の性売買問題は、中央洞と元洞だけにとどまりません。
鳳鳴洞一帯には、今も遊興業所が存在しています。
夜になると派手な看板や明かりがともり、性売買産業は、まるでごく普通の夜の娯楽文化であるかのように、私たちの日常の中に自然に入り込んでいます。
官公庁が集中し、多くの塾や学校が集まる屯山洞でも、未成年者をめぐる「ノレバン・ボド(カラオケ店などへの女性派遣)」の問題について、懸念や情報提供が絶えません。
子どもたちが学校や塾へ行き来する、まさにその場所に、女性が性的に対象化され、取引される産業が共存しているということです。
私たちは、これを単なる「一部の地域の問題」だとは考えていません。
性売買が地域社会の中であまりにも容易に容認されているからこそ、こうしたことが可能になっていると考えています。
性売買を求める需要があり、女性を利用して利益を得る人々がいて、その産業が存続できるよう地域社会が黙認しているからこそ、成り立っているのです。
だから私たちは問います。
なぜ、女性の身体を金銭で売買することが、私たちの地域でこれほど当たり前のように存在しなければならないのでしょうか。
なぜ、性売買業者が存在する地域を「もともとそういう場所だから」と受け入れなければならないのでしょうか。
なぜ女性には「なぜ性売買を選んだのか」と問いながら、性を買う人や斡旋する人には、それに見合う責任を問わないのでしょうか。
私たち大田「ハクナマタタ」は、性売買を経験した当事者として、ティウムの活動家たちとともに活動しながら、この問いを投げかけ続けてきました。
性売買を経験した女性たちは、何か特別な人たちではありません。
あなたと同じ地域で暮らし、あなたと同じバスに乗り、同じ道を歩き、あなたと同じように明日を夢見る人たちです。
そのような女性たちの人生が、性産業の中で商品にされ、暴力と搾取に耐えなければならなかったのです。
私たちは、性売買を女性個人の選択だけの問題として捉えてはいません。
性売買が存在することを可能にしている地域の環境、産業、需要、そして構造を一緒に見なければなりません。
そして、その変化はソウルだけから始めるものではありません。
私たちが暮らしている、この大田から始めなければなりません。
中央洞と元洞に残る古い性売買集結地が、いつの日か完全になくなること。
鳳鳴洞の遊興産業が、女性の身体を利用して利益を得るあり方から脱すること。
子どもたちが行き交う屯山洞で、未成年者が性搾取の危険にさらされない地域をつくること。
それが、私たちが望む大田です。
私たちは、性売買がなくなった場所に、何も残らなくなることを望んでいるわけではありません。
女性たちが安全に暮らすことのできる場所。
子どもたちが安全に成長できる場所。
誰もが、性別や年齢を理由に搾取されることのない場所。
そうした場所をつくりたいのです。
そして、性売買を経験した女性たちが、性売買から離れた後も地域社会から排除されることなく暮らしていけるよう、ともに支える大田であってほしいと思います。
今日は、性売買追放週間を知らせる日です。
しかし、たった一週間だけ性売買について語っても、何も変わりません。
私たちは中央洞と元洞を記憶し、鳳鳴洞の現実を見つめ、屯山洞における未成年者の性搾取問題から目をそらしてはなりません。
そして、性売買を可能にしている需要と、女性を利用して利益を得る構造に、責任を問い続けなければなりません。
性売買は個人の問題ではありません。
私たちの地域の問題であり、私たちの社会の問題です。
今日ここに集まった私たちが、それぞれの場所で問い続け、行動し続ければ、大田も変わることができると信じています。
女性を売り買いする都市ではなく、女性が安全に暮らせる都市をつくりましょう。
子どもたちが性搾取の危険から守られる都市。
性売買を経験した女性たちも尊厳をもって生きることのできる都市。
誰も暴力や搾取を当たり前のものとして受け入れることのない都市を、つくっていきましょう。
性売買のない大田、性搾取のない大田!
私たちの力でつくっていきましょう。
ありがとうございました。
▼2026年3月にColaboが開催した「性売買問題を考えるシンポジウム」第2回では、ムムさんが来日し、性売買経験当事者として、また性売買女性の自立支援や性搾取被害を受けた子ども・若者を支援する相談員として、性売買の構造的な搾取や、女性の脱性売買に必要な支援について語ってくれました。
シンポジウムの動画はこちらからご覧いただけます。
性売買問題を考えるシンポジウム第2回「なぜ性売買防止法が必要か」
【連載|韓国の性売買経験当事者たちの声】
韓国では今、性売買をした女性への処罰規定を削除し、「性売買処罰法」を全面改正することを求める運動が全国に広がっています。
この連載では、法改正を求めて韓国各地で声を上げた性売買経験当事者の女性たちの発言を、一人ずつ紹介しています。
▶︎ 当事者の声①|釜山・ペクチさん
「性売買がなくならない理由は、本当に女性たちのせいなのでしょうか?」
▶︎ 当事者の声②|仁川・ジョシさん
「変えなければならないのは性売買女性ではなく、性搾取を持続させる構造である」
▶︎ 当事者の声③|全北・バラさん
「女性処罰から性搾取構造の変革へ――性売買処罰法の全面改正は、選択ではなく必須である」

写真は、2022年にColaboと日本の性売買経験当事者ネットワーク「灯火」が参加した女性処罰法改正キャンペーンのデモにて。
現在、女性人権センター建設プロジェクト第2回寄付キャンペーンを実施しています。
特別返礼品として、「性搾取に反対するフェミニスト(Feminists Against Sexual Exploitation)」Tシャツをご用意しています。受付は9月30日までです。

皆さまからのご支援が、虐待やDV、性搾取などの被害を受けた少女や女性たちが安心して過ごせる居場所と、回復を支える女性人権センターの実現につながります。
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▽少女たちを追い詰める社会構造を変えるため、1日35円~活動を支えてください
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▽差別と暴力に抗う女性たちの活動拠点「女性人権センター」を市民の手で
性搾取の深刻な街、新宿・歌舞伎町に建設を目指しています。
https://colabo-official.net/projects/colabo_center.html
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