黙認と幇助の歴史を終わらせ、性売買処罰法の全面改正を成立させよ!――韓国の性売買経験当事者の声⑦
こんにちは。性売買経験当事者ネットワーク「ムンチ」で活動しているムムです。
「ムンチ」は、性売買を経験した当事者たちが自ら集まり、性的搾取構造の矛盾を社会に向けて告発し、性売買のない社会をつくるために懸命に活動してきた当事者組織です。
先ほどの発言では、国会で性売買処罰法の全面改正案を発議するにあたり、なぜこの法律を変えなければならないのか、政治と法制度の責任について重く指摘されました。
(チョン・ジンスク議員の)発議に賛同し、この改正案が必ず成立するよう、現場から声を上げたいと思います。
この改正案は、単に法律のいくつかの条文を変えるという話ではありません。
現場で法律の矛盾を身をもって経験してきた私たち当事者にとって、これは切実な要求です。
今日、この場で、私たちはこの社会にどうしても問いかけたいと思います。
現在の性売買処罰法は、いったい誰を処罰しているのでしょうか。
「ムンチ」のメンバーの中には、性売買の「行為者」とされ、処罰の対象になった人もいれば、「被害者」と認められた人もいます。
しかし、現場を経験した私たちは知っています。
性売買の現場では、「自発」と「強制」、「行為者」と「被害者」を区別すること自体に意味がないということを。
私たちが現場から抜け出そうとしたとき、社会は問いかけてきます。
どうして性売買をするようになったのか、どのような被害を受けたのか、それを証明しろと言います。
しかし、性売買の現場は、女性たちの意思によって動いているのではありません。
徹底して、性を買う者の欲望と、斡旋する者たちの利益によって、女性たちの置かれる場所が決められているだけです。
それにもかかわらず、女性により大きな責任を負わせ、処罰の刃を向けることは、この社会が性的搾取の構造をまったく理解していないことの証です。
最初から「性売買女性」になりたいと思っていた人など、誰もいません。
性売買をしないために、そして今日を生き抜くために、諦めざるを得なかった人生を、どうして「選択」や「自発」という言葉にすり替えることができるのでしょうか。
性を買う者たちは、「正当に金を払った」と、まるで免罪符を得たかのように堂々と権利を口にし、斡旋する者たちは「自営業者」という聞こえのよい名前の陰に隠れて責任を回避します。
お金を受け取ったという理由だけで、なぜ女性が烙印を背負い、処罰されなければならないのでしょうか。
結局これは、韓国社会が長い間、性的搾取の現場を黙認し、「貧しいなら性売買でもして金を稼げ」と女性たちの背中を押してきた結果ではないのでしょうか。
もう、本当に変わらなければなりません。
20年以上前に起きた、群山(クンサン)・大明洞(テミョンドン)と開福洞(ケボクトン)の性売買業者の火災惨事を、私たちは決して忘れていません。
生きたかった女性たちを閉じ込めたまま逃げた業者。
一筋の光さえ入らず、逃げ道すらなかった、あの地獄のような空間。
それは、性売買業者が女性をどのように縛りつけ、搾取しているのかを残酷なまでに示しました。
過去の女性たちの犠牲の上に、ようやく性売買防止法が制定されました。
腐りきった「淪落行為等防止法」を廃止し、女性の人権を守るためにつくられた法律です。
私たちは、この法律が法典の中に存在するだけの形骸化した法律ではなく、現場で生きて機能する、実効性ある法律になることを願っています。
国家と社会は、貧困と抑圧の歴史を真正面から見つめなければなりません。
誰も性売買へと追いやられない社会。
誰も、誰かの快楽のために売られることのない社会。
そのような社会をつくる責任を果たしてください。
法律の施行後、性売買集結地が閉鎖されるなど、ゆっくりではあっても、確かな変化はありました。
しかし今、国家はさらに広い視野を持ち、社会全体に深く根を張った**「性的搾取の構造」**を見つめ、根本的な変化を進めなければなりません。
国家がなすべきことは明確です。
性売買処罰法の全面改正案を、必ず、速やかに成立させてください。
ジェンダー平等な大韓民国のために、女性が処罰されることなく、安全に生きていくことのできる選択肢を整えてください。
二度と群山で、ソウル・ミアリで、そして数多くの性売買の現場で、私たちの女性たちを失うことのないよう、法的責任を果たしてください。
私たち性売買経験当事者ネットワーク「ムンチ」は、性売買処罰法が全面改正され、性売買のない、平等で平和な社会が訪れるその日まで、最後まで立ち止まることなく、声を上げ続けます。
ありがとうございました。
これまでの連載
韓国では今、性売買をした女性への処罰規定をなくし、「性売買処罰法」を全面改正することを求める運動が全国に広がっています。日本でも売春防止法の見直しが議論される今、韓国の女性たちがなぜ「女性を処罰するな」と訴えているのか、当事者の声を紹介しています。
日韓・性売買経験当事者の連帯
現在、女性人権センター建設プロジェクト第2回寄付キャンペーンを実施しています。
特別返礼品として、「性搾取に反対するフェミニスト(Feminists Against Sexual Exploitation)」Tシャツをご用意しています。受付は9月30日までです。

皆さまからのご支援が、虐待やDV、性搾取などの被害を受けた少女や女性たちが安心して過ごせる居場所と、回復を支える女性人権センターの実現につながります。
ご支援はこちらからお願いいたします。
▽少女たちを追い詰める社会構造を変えるため、1日35円~活動を支えてください
Colaboへの寄付・活動支援はこちら
https://colabo-official.net/lp/donation.html
▽差別と暴力に抗う女性たちの活動拠点「女性人権センター」を市民の手で
性搾取の深刻な街、新宿・歌舞伎町に建設を目指しています。
https://colabo-official.net/projects/colabo_center.html
性売買の問題について、これからも現場で見てきたことや、女性たちの声を書いていきます。 よろしければ、無料の読者登録をして読んでいただけたら嬉しいです。
すでに登録済みの方は こちら