「20年前の鉄格子は、今『性売買行為者』という法律上の鉄格子に変わった」――韓国の性売買経験当事者の声⑤
済州・性売買経験当事者自助グループ「ベンディ」 マル
こんにちは。
私は性売買経験当事者ネットワーク「ムンチ」で活動し、済州女性人権連帯の性売買経験当事者自助グループ「ベンディ」の代表を務めているマルです。
性売買追放週間を迎え、全国の性売買経験当事者の自助グループがともに声を上げる今日、私は済州の現場の声を集め、この場に立っています。
韓国で性売買処罰法が制定されてから、すでに22年が経ちました。
韓国の性売買処罰法の歴史は、女性たちの血と涙によって書かれてきた歴史です。
この法律は、2000年の群山・大明洞、2002年の群山・開福洞で起きた性売買業所の火災惨事の中で、鉄格子と閉ざされた扉の向こうに閉じ込められ、無念にも命を失った女性たちの凄惨な犠牲の上に生まれました。
国家が性搾取を放置してきた責任を認め、女性の人権を守るためにつくられた法律でした。
しかし、22年が経った今、現実はどうでしょうか。
現在の性売買処罰法は、今も女性たちに「自発」だったのか「強制」だったのかを立証することを求め、被害を証明できなければ犯罪者として処罰しています。
この有害な条項は、買春者や斡旋業者にとって強力な武器となり、性搾取被害女性にとっては、法律の名によって新たに設けられた、もう一つの鉄格子となっています。
加害者から深刻な暴力を受けても、
「通報したら、お前も性売買で処罰されるぞ」
という加害者の脅しを前に、女性たちは口を閉ざさざるを得ません。
特に現行法は、性搾取を構造的な犯罪ではなく、個人間の取引へと矮小化し、取締りと処罰の刃を被害者に向けるという矛盾を抱えています。
買春者や斡旋者が巨大な性搾取カルテルの中で免責されたり、軽い処罰にとどまったりする一方、生き延びるためにもがいている女性たちだけが「犯罪者」というスティグマを負わされ、司法の裁きを受けています。
これは、国家が本来保護すべき女性たちを人権の死角に放置するというだけではありません。
法律そのものが性搾取構造を黙認する、明白な暴力です。
済州でも、こうした性搾取の構造的暴力は同じです。
観光地特有のいびつな遊興産業の構造と、狭い地域社会という特殊性の中で、被害女性たちは、より深刻な孤立とスティグマにさらされています。
少し前に済州で起きた悲劇的な事件が、それをはっきりと示しています。
生活のためにカラオケ店の接客女性として働いていた女性が、そこで出会った客から性暴力を受けました。
ところが警察の捜査過程で、彼女は「性売買行為者」として扱われました。
ただ「遊興業所で働く女性」であるという偏見のものさしを当てはめ、性暴力事件を「性売買事件」へと歪めて処理してしまったのです。
性暴力を受けたにもかかわらず、逆に性売買の犯罪者という烙印を押された被害者は、国家と法律から、まるで加害者であるかのように扱われなければなりませんでした。
理不尽さと屈辱感、踏みにじられた人権を前に、その方は自殺を考えるほど深刻な絶望と羞恥の中で、これまで生きてきた人生そのものが崩れていくような苦しみを経験しています。
スティグマと偏見は、法律の枠を超えて、性搾取被害当事者の日常を踏みにじっています。
捜査機関と私たちの社会は、性暴力を受け、「助けてほしい」と叫ぶ被害者の切実な声に耳を傾けず、背を向けました。
この事件は、私たちの社会に存在する被害女性へのスティグマが、どのように被害者を死の淵にまで追い込むのかを、赤裸々に示しました。
性暴力被害者が保護されるどころか、遊興業所で働いていたという理由だけで犯罪者として扱われる。
この残酷な現実こそ、現在の性売買処罰法の限界であり、その本当の姿です。
性売買は個人の自発的な選択ではなく、女性に対する構造的暴力であり、性搾取です。
20年前、群山に存在していた鉄格子は、今日では法律の条文による「性売買行為者」という名の鉄格子へと姿を変え、今も女性たちを締めつけています。
女性を処罰する法律では、性売買を根絶することも、女性の人権を守ることもできません。
何より私たちを最も深い絶望に追いやっているのは、法律がつくり出したこの枠組みが、社会のスティグマと偏見をさらに強固なものにしていることです。
性売買処罰法が全面改正されない限り、このような悲劇は済州だけでなく、全国のどこであっても繰り返されるでしょう。
性売買女性に「犯罪者」という枠をはめる現行法は、性搾取の加害者に強力な武器を与えることと変わりません。
「通報すれば、お前も性売買で処罰される」
この脅しを前に、女性たちは暴力にさらされても沈黙せざるを得ず、被害を受けても捜査過程で深刻な二次被害を受けることになります。
国家が性搾取を根絶するとしてつくった性売買処罰法は、買春者や斡旋者を厳しく処罰することよりも、性搾取被害女性に「性売買行為者」という法的・社会的暴力を加えることを正当化してきました。
女性を処罰する法律では、性搾取カルテルを解体することも、女性の人権を守ることもできません。
全国の性売買経験当事者とともに、済州女性人権連帯・性売買経験当事者自助グループ「ベンディ」は、強く要求します。
性売買女性を処罰する条項を直ちに削除し、性売買処罰法を全面改正せよ!
性売買女性を「犯罪者」ではなく「性搾取被害者」として認め、保護体制を強化せよ!
遊興業所や地域の性搾取現場に対する偏見によって歪められた性暴力事件を徹底的に再調査し、被害者の人権を保障せよ!
性売買経験当事者自助グループ「ベンディ」は、性売買処罰法の全面改正のため、ともに行動していきます。
20年前に犠牲となった多くの女性たちの魂を前に、そして今もスティグマと暴力の中で苦しんでいる済州の性搾取被害者たちを前に、私たちはもう後には退きません。
法律の名によって被害者を加害者に変えてしまう、この残酷な構造が壊されるまで、済州女性人権連帯「ベンディ」は最後まで闘い、声を上げ続けます。
ありがとうございました。
【連載|韓国の性売買経験当事者たちの声】
韓国では今、性売買をした女性への処罰規定を削除し、「性売買処罰法」を全面改正することを求める運動が全国に広がっています。
この連載では、法改正を求めて韓国各地で声を上げた性売買経験当事者の女性たちの発言を、一人ずつ紹介しています。
▶︎ 当事者の声①|釜山・ペクチさん
「性売買がなくならない理由は、本当に女性たちのせいなのでしょうか?」
▶︎ 当事者の声②|仁川・ジョシさん
「変えなければならないのは性売買女性ではなく、性搾取を持続させる構造である」
▶︎ 当事者の声③|全北・バラさん
「女性処罰から性搾取構造の変革へ――性売買処罰法の全面改正は、選択ではなく必須である」
▶︎ 当事者の声④|大田・ムムさん
「性売買・性搾取が当たり前の都市を拒否する。ジェンダー平等な大田をつくろう」

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