性売買経験当事者の口をふさぐ「性売買処罰法」を、今すぐ改正せよ!――韓国の性売買経験当事者の声⑥
こんにちは。私は、性売買経験当事者ネットワーク「ムンチ」で活動しているムムです。
「ムンチ」は、性売買を経験した当事者たちが互いに支え合い、私たち自身の経験を社会に向けて語り、性売買の現場の実態を知らせ、変化を生み出すために活動しています。
今日は、性売買防止法施行22年を迎え、これまで私たちが求め続けてきた性売買処罰法の全面改正のために、全国から活動家と当事者がこの場に集まりました。私とムンチのメンバーたちも、ここに一緒にいます。
そして私は、一人の当事者として発言することになりました。
しかし私は今、皆さんの中に身を置きながら、自分が書いたこの発言文を聞いています。
私はこの場にいるのに、自分の顔を出し、自分の声で、皆さんと向き合うことができません。
性売買防止法施行22年、そして性売買処罰法の全面改正を求める、これほど重要で意味のある場で、なぜ私や私たち当事者は、大勢の人々の中に隠れていなければならないのでしょうか。
なぜ私たちは、ほかの発言者たちのように顔を出し、自分自身の声で、自分自身の経験を語ることができないのでしょうか。
私は、それこそが性売買処罰法の最大の問題の一つだと思います。
法律が、性売買をする女性を処罰しているからです。
処罰の対象になり得るため、性売買の現場で起きている搾取や暴力はきちんと見られず、私たちは「自発的に性売買を選択した女性」として見られます。
その過程で、憎悪や非難が働き、私たちの口をふさぎます。
性売買女性に対する偏見は、今なお強められ続けています。
だからこそ、今この瞬間にも恐怖を感じます。
もし私たち当事者が姿を現したら、誰かの冷たい視線や攻撃にさらされるのではないか。
なぜ私たちは、自分自身の経験を語るときでさえ、恐れなければならないのでしょうか。
今年4月、私は「平等モデル(Equality Model)」の施行から10年を迎えたフランスを訪れました。
パリで行われたサバイバー・マーチで、私は韓国の性売買経験当事者を代表して顔を出し、自分自身の声で、世界各地から集まった活動家やパリ市民の前で、韓国の状況について発言しました。
「私は韓国から来た性売買経験当事者です。世界中の誰一人として、性的搾取の現場に追いやられてはなりません。性売買をする女性が処罰されてはなりません」
そう、自分自身の声で言いました。
そのとき私が感じたのは、解放感でした。
平等モデルを採用する国で暮らす当事者たちにとっては、このような場は当たり前のことなのかもしれません。
しかし、私にとっては違いました。
当事者活動家として生きてきて、初めて味わった経験でした。
当事者の声が、取り繕われたり、歪められたりすることなく、そのまま受け止められるということを、身をもって感じることができました。
正直、とても羨ましかったです。
そのような国で暮らしている当事者たちが羨ましく、彼女たちの声を自然に受け止める市民たちが羨ましかった。
法律がどこを向いているのか、市民がどのような意識を持っているのかによって、性売買をする女性たちが置かれる状況は変わり得るのだと感じました。
しかし、韓国の現実は違いました。
今なお、性売買を経験した女性たちは、自分たちが市民としての権利を持っていると実感することが困難です。
韓国の法律は、女性にとっては「半分だけの法律」だと私は思います。
性売買処罰法の改正について、「国民の共感を得ることが難しい」と言われます。
しかし、私は問いたい。
その「国民」とは、いったい誰なのでしょうか。
性を買うことを、自分の権利であるかのように考えている人々ではないのでしょうか。
性売買を斡旋し、性的搾取によって利益を得ている人々ではないのでしょうか。
彼らが「国民」だというのなら、私たちは何なのでしょうか。
現行法は、性売買をする女性たちの口をふさぎ、考えることさえ閉ざしてしまいます。
女性を処罰する法律のもとでは、女性は自分が受けた搾取や暴力について語るよりも先に、「なぜ自分がそこにいたのか」を説明しなければなりません。
だからこそ、性売買から抜け出すことも難しくなります。
女性自身に自分を責めさせるこの法律は、今すぐ変えなければなりません。
群山(クンサン)で、なぜ女性たちは監禁されたまま犠牲になったのでしょうか。
浦項(ポハン)で、なぜ女性たちは相次いで命を絶たなければならなかったのでしょうか。
取締りの際、なぜ女性たちは窓から飛び降りなければならなかったのでしょうか。
こうした現実に、今こそ法律が答えなければなりません。
女性を処罰するのではなく、女性が性売買の現場から出たいと思ったとき、いつでも安全にそこから出られるようにしなければなりません。
法律の施行から22年が経ちました。
もう、変わらなければなりません。
女性を処罰する法律では、決して性売買問題を解決することはできません。
これからは、女性に「なぜ性売買をしたのか」と問うのではなく、
誰が女性たちをそこへ流入させているのか。
誰が性を買っているのか。
誰がそこから利益を得ているのか。
それを明らかにしなければなりません。
性売買・性的搾取産業を維持している者たちに対して、厳しい処罰と責任を求めなければなりません。
少し前、うれしい知らせを聞きました。
チョン・ジンスク(전진숙)議員が代表発議者となり、性売買処罰法の全面改正案が発議されたという知らせです。
この知らせを聞いただけで、本当に胸がいっぱいになりました。
そこで今日、この場で、この法案の発議を可能にするために力を尽くしてくださった方々に、感謝を伝えたいと思います。
チョン・ジンスク(전진숙)、イ・ゲホ(이개호)、ムン・グムジュ(문금주)、イ・スジン(이수진)、ソン・ソル(손솔)、イ・ジュヒ(이주희)、キム・ヨンベ(김영배)、ユン・ジョンオ(윤종오)、チョン・ジョンドク(전종덕)、チョン・ヘギョン(정혜경)議員、ありがとうございます。
法律が改正されるそのときまで、最後まで共に歩んでくださることを願います。
そして、性売買処罰法の改正を求めて20年以上にわたり活動してきた全国の反性売買運動の活動家、そして当事者の皆さんにも、感謝と連帯の気持ちを伝えます。
性売買経験当事者ネットワーク「ムンチ」も、最後まで共に歩みます。
最後に。
性売買処罰法が改正され、私たちの社会が当事者のありのままの顔と向き合えるようになったとき、
性売買経験当事者である私自身の声で、
私自身の顔で、
皆さんと会える日が来ることを願っています。
ありがとうございました。
これまでの連載
韓国では今、性売買をした女性への処罰規定をなくし、「性売買処罰法」を全面改正することを求める運動が全国に広がっています。日本でも売春防止法の見直しが議論される今、韓国の女性たちがなぜ「女性を処罰するな」と訴えているのか、当事者の声を紹介しています。
日韓・性売買経験当事者の連帯
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